漆黒に浮かぶ光が問うもの 輪島塗の粋を集めた「地球」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
輪島塗の粋を集めて制作された地球儀=石川県輪島市で2022年4月2日午後3時15分、深尾昭寛撮影
輪島塗の粋を集めて制作された地球儀=石川県輪島市で2022年4月2日午後3時15分、深尾昭寛撮影

 輪島塗で地球の夜景を表現した大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」が完成した。国の重要無形文化財保持団体「輪島塗技術保存会」(小森邦博会長)が制作した。「世界を俯瞰(ふかん)で捉えることで、対立や分断を超えて他者に思いを巡らせてほしい」との思いで作り始めたが、くしくもその完成はロシアによるウクライナ侵攻と時期が重なった。

 「すごいなぁ」。4月初旬、新年度に入って初めての週末。石川県輪島漆芸美術館(同県輪島市)の一角で来館者が感嘆の声を上げた。人々を魅了していたのは、高さ・幅ともに約1・5メートル、球体の直径1メートルの巨大な夜景地球儀だ。黒光りする漆塗りの球体に、人が暮らす地点が金箔(きんぱく)や金粉で光の粒のようにあしらわれており、「人工衛星から地球を見ているようだ」と感心する人も。会場内には、他に東京など世界4都市を蒔絵(まきえ)で描いたパネルも展示されている。

地球儀に込めた意味

 輪島塗のルーツは室町時代にさかのぼり、江戸時代には西回り航路の整備により販路を全国に拡大。明治以降も他の地域から職人を呼び込み技術発展…

この記事は有料記事です。

残り757文字(全文1230文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集