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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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「話したい」リゾートのロシア人が示した6単語 タイで聞く侵攻

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ロシア人観光客が多いというジョムティエンビーチは閑散とした雰囲気だった=タイ中部パタヤで2022年4月12日、石山絵歩撮影
ロシア人観光客が多いというジョムティエンビーチは閑散とした雰囲気だった=タイ中部パタヤで2022年4月12日、石山絵歩撮影

 タイのリゾート地で大勢のロシア人観光客が立ち往生しているという。原因はウクライナ侵攻による欧米の経済制裁だ。欧米のクレジット会社がロシアで発行するカードが使えなくなり、本国から送金してもらうこともできない。日本人にも人気のビーチリゾート、パタヤを歩いた記者は、「話したいです」と思いを語るロシア人男性に会った。

滞在のロシア人、7000人以上

 パタヤはモスクワから直線距離で約7200キロ、この時期の気温差は約28度ある。ロシア人向け旅行サイトを見ると、タイはロシア人の選ぶ旅行先で10位以内に入り、プーケットやパタヤは特に人気が高い。タイメディアは、こうしたリゾート地に滞在するロシア人観光客は3月末時点で、7000人以上と報じている。

 記者は12日、バンコクからバスで2時間ほど揺られ、パタヤに到着した。空は曇っていたが、気温は31度。バスを降りると潮風が感じられた。すぐに客引きをするタクシー運転手らの呼び声が聞こえてきた。この道20年の運転手によると「新型コロナウイルスの影響で客足はかなり減ったが、徐々に戻ってきている」という。タイは新型コロナの水際対策を緩和し、ワクチン接種を受けていれば入国後、約半日で隔離から解放される。

 ロシア人たちはどこにいるのだろうか。運転手によると「結構来ているが、帰れなくなっているらしい。近くの入国管理局にビザの延長をしに行っていると聞いた」。礼を言うとこう続けた。「欧米系の外国人はパタヤビーチ、ロシア人はジョムティエンビーチという暗黙の了解がある。入管にいなければ、ジョムティエンビーチに行った方がいい」

 入管で列を作る人に何人か話しかけてみたが、ロシア人ではない。早々にビーチに目的地を変更した。ジョムティエンビーチは海外でも知られたパタヤビーチから南に約4キロ。パタヤビーチよりも飲食店の数が少なく、静かだ。それでも街には日本語や韓国語、ロシア語で書かれた飲食店の看板が目につく。パタヤ市内にはロシア正教会の教会もあり、ロシア人のコミュニティーがあることを物語っていた。

カードは使えず、為替も悪化

 昼下がりのビーチには地元の人が多い。しばらくすると小さなスーツケースを持ったカップルがロシア語らしい言葉で話しているのを見つけた。話しかけると男性が「私、ロシア人です。でも英語はうまくない」と英語で返してきた。

 記者が知っている数少ないロシア語も交えて質問を続けたが、会話は成立しそうになかった。諦めて取材を終わらせようとしたその時、男性は「いや、話したいです」とポケットからスマートフォンを取り出した。…

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【ウクライナ侵攻】

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