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わたしのふるさと便

あまり知られていない観光スポットや地元で人気の食べ物を、現地で勤務する支局長が紹介。47都道府県を巡ります。

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わたしの穴場 和歌山県 「和歌山城」 「家路」鳴るから帰ろう 和歌山市出身・漫画家 田村由美さん

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和歌山市のシンボル、和歌山城。桜の季節には多くの花見客でにぎわう=和歌山市提供 拡大
和歌山市のシンボル、和歌山城。桜の季節には多くの花見客でにぎわう=和歌山市提供

 「小学校の写生の授業は常に和歌山城。天守閣がかっこよく見える場所があって、みんな絵が似てしまうので、いかに違うふうに描くか毎年挑戦してました。庭といったら言い過ぎですけど身近な存在でしたね」。近所で生まれ育った漫画家の田村由美さんは、こう振り返る。

 城は和歌山市の中心部にあり、シンボルでもある。羽柴(豊臣)秀吉が1585年、弟の秀長に築城させたのが始まりで、1619年には徳川家康の十男・頼宣が入城し、徳川御三家の一つ、紀州徳川家の居城となった。

国指定名勝の西之丸(紅葉渓)庭園=和歌山市提供 拡大
国指定名勝の西之丸(紅葉渓)庭園=和歌山市提供

 「御三家、そして徳川吉宗の城ということが誇りで。小学校のときは帰ってきたら友達と自転車で遊びに行って、石垣をよじのぼったり、『砂の丸広場』で男の子たちも一緒に仮面ライダーごっこをしたりしてました」。城内には国指定名勝の「西之丸(紅葉渓(もみじだに))庭園」や動物園、広場などもあり、地元の人も多く訪れる。

 城に設置してあるスピーカーからは夜10時(現在は9時)になると、ドボルザークの「家路」のチャイムが流れていた。「家にいても風に乗って聞こえてきたんですけど、美しくて切ないメロディーが大好きでした。子供のころは、なんでこんな遅くに『家路』なんだろうと思ってましたが、きっと大人向けなんですね」

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 古里を離れてしばらくたつが、城は今も特別な存在。「家路」のメロディーが「自分の大事なところにつながっている」といい、漫画「7SEEDS」では重要な場面で、この曲が流れるカットを描いた。「和歌山に帰って城を見ると『ああ、帰ってきたな』ってホッとします。街並みはだいぶ変わったけど、お城はそのままだから。和歌山は私の原点、お城はその中心ですね」【聞き手=和歌山支局長・勝野俊一郎】


次回は東京都です

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 ■人物略歴

田村由美さん

 1983年デビュー。代表作に「BASARA」「7SEEDS」など。現在、「月刊フラワーズ」で連載中の「ミステリと言う勿(なか)れ」は累計発行部数1500万部を突破。今年はフジテレビ系列の「月9」枠でドラマ化され、話題となった。2013年に和歌山県文化功労賞を受賞。東京都在住。

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