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第26回参院選

2022年夏の参院選は6月22日公示、7月10日投開票。関連するニュースをまとめています。

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自民「野党共闘にくさび」 唯一の誤算 「トリガー条項」先送り

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会合に臨む国民民主党の大塚耕平税調会長(右)と公明党の伊藤渉税調事務局長(左)。中央画面は自民党の加藤勝信税調小委員長=国会内で2022年4月19日午前8時2分、竹内幹撮影
会合に臨む国民民主党の大塚耕平税調会長(右)と公明党の伊藤渉税調事務局長(左)。中央画面は自民党の加藤勝信税調小委員長=国会内で2022年4月19日午前8時2分、竹内幹撮影

 燃油価格高騰対策として、自民、公明、国民民主の3党が議論してきた、ガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除の先送りが決まった。国民民主は2022年度予算に賛成に回って自公に接近し実現を狙ったが、業界団体などから反発を受けて機運は急速にしぼんだ。3党は今後も枠組みを維持するが、先行きは不透明だ。

「現場が混乱」業界団体が反発

 3党の実務者は19日午前、国会内で4回目の会合を開き、検討結果をまとめた。その後3党の幹事長が国会内で会談し了承した。合意では、トリガー条項の先送りの代わりに補助金事業の拡充を申し合わせたが、財源をどう確保するかなど課題は残る。自民の茂木敏充幹事長は「3党で課題認識を共有したので、それぞれの党で課題をどう解決するのか議論することにした」と説明。公明の石井啓一幹事長は「当面の対策として3党で合意できたのは大きな実績だ」と3党の連携をアピールした。

 3党の接近が始まったのは昨年末だ。仕掛けたのは、自民サイド。衆院議員宿舎で茂木氏が国民民主の玉木雄一郎代表とワインを飲みながら会談するなど腹を探った。その結果、夏の参院選での野党共闘にくさびを打ちたい自民の提案に野党共闘と一線を画し、独自の立場を狙いたい国民民主側の思惑が一致。両党が合意点として見いだしたのが、国民民主が21年の衆院選の公約に掲げたトリガー条項の凍結解除だ。

 自民側は凍結解除の容認の「見返り」として予算への賛成を打診した。玉木氏が衆院予算委員会での採決前日の2月20日夜、賛成する方針を自民側に伝達すると、岸田文雄首相は周囲に「本当に賛成してくれるのか」と驚いたという。両党の接近に慌てた公明もトリガー条項の凍結解除で足並みをそろえた。

 ところが誤算が生じた。ガソリンスタンドなどでつくる全国石…

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【第26回参院選】

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