「大阪は脱インバウンド依存を」星野佳路代表が描くコロナ後とは
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星野リゾートは22日、大阪市浪速区に都市観光ホテル「OMO7(おもせぶん)大阪」を開業した。これに合わせて毎日新聞のインタビューに応じた星野佳路(よしはる)代表(61)は「大阪はインバウンド(訪日外国人)に依存しない観光を目指すべきだ」と提言した。国内外でさまざまな形態の宿泊施設を展開する星野氏の真意は何か。【聞き手・小坂剛志】
――星野リゾートにとって初の大阪進出となるOMO7大阪が建つJR新今宮駅周辺は、「労働者の街」としても知られています。星野氏は「新今宮のイメージを変える」と意気込んできました。
◆そのためには、駅のホームや電車の中からどのように見えるかが大事だ。だから、ホテルの前には「みやぐりん」と名付けた芝生エリアを整備した。通勤で電車に乗っていて、芝生で浴衣を着てビールを飲んでいる姿を見たら、うらやましいはず。「新今宮は変わったな」と思ってもらえる楽しい雰囲気を演出できると期待している。
――大阪はホテルが供給過剰だと指摘されています。新型コロナウイルス禍で大幅に落ち込んだインバウンドが戻らない中で、新たなホテルの先行きは厳しいのではないですか。
◆インバウンドが増えたのは、この15年間ほどだ。それより前の大阪では、インバウンドに関係なくホテルが運営されていた。全体で27・9兆円だった2019年の旅行市場規模(消費額)のうち、国内旅行は22兆円を占め、インバウンドの4・8兆円を大きく上回っている。インバウンドがなくても集客できている地方都市はある。箱根(神奈川県)や軽井沢(長野県)、沖縄は日本人で潤っている。もちろんインバウンドも大事だが、大阪はもう一度、国内観光客に地域の魅力を発信すべきだ。
――25年には大阪・関西万博が開催され、インバウンドが戻るとの見方もあります。
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