「白黒はっきり」は怖い 安田菜津紀さん×ユーチューバー僧侶/前編
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誰もが「発信者」になれる世の中だ。手軽に映像を撮影、編集できる環境が整い、動画投稿サイト「ユーチューブ」の存在感はますます大きくなっている。そんなメディアを駆使する人たちを訪ね、情報発信の現在地を探る新企画。案内役は、自身も仏教の法話動画を発信するユーチューバー僧侶、小池陽人さん(35)に務めてもらう。第1回のゲストは、フォトジャーナリストで認定NPO法人「Dialogue for People(ダイアローグ・フォー・ピープル、D4P)」副代表理事の安田菜津紀さん(35)。社会の小さな声に耳を澄ます2人に、聞こえてきた課題についてオンラインで語り合ってもらった。
今回は前後編で紹介するうちの前編。安田さんが亡き父のルーツをたどる旅の中で感じた祈りの意味、そして安易に誰かを「排除」してしまう心理について仏教の視点から見えることとは。【構成・花澤茂人】
※後編は23日午後8時に公開します。
小さき声に光を
安田 わたしたち、同じ学年ですよね。小池さんが1986年のお生まれで、私が87年の3月なので。
小池 そうですね。こうしてお話をできるのが本当に楽しみでした。D4Pの配信は欠かさずチェックしています。一貫しているのが、小さな声、弱き人の声をすくい上げて届けてくださること。毎回「知らなかった」の連続です。
安田 置き去りにされがちなところに意識的に光を当てているのですが、最初は私たちも気づいていなかった社会課題ばかりで、一緒に共有していく感覚です。音…
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