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成人年齢を18歳に引き下げる改正民法が4月1日、施行された。1896(明治29)年制定の民法で20歳と定めて以来、126年ぶりの大変革だ。消費者トラブルなどが懸念されているが、実践女子大の広井多鶴子教授は、未熟さの残る18歳に「大人」の仲間入りをさせる以上、「一人前」に育て上げるのは社会の責任だと指摘する。【聞き手・鈴木直】
「成年制度」はフィクション
――民法の成人年齢が18歳に引き下げられました。政府は「若者と社会のあり方を見直すきっかけに」と訴えていましたが、「成人」の意味が問われることはほとんどありませんでした。
◆この間の報道は、18歳になると「法律上、何ができるのか」とか「どんな影響があるか」といった内容がほとんどです。126年ぶりの変更ですので、成人の捉え方や若者に対する社会のあり方が変わることを期待しましたが、残念ながら議論はほとんどありませんでした。その原因は、成人年齢を巡る分かりにくさにあると思います。
1896(明治29)年制定の民法が20歳を「成年」と定めて以来、20歳になればみな精神的に成熟した大人になるかのように考えられてきました。
しかし、成年制度は法的な「擬制」(フィクション)ともいうべきもので、成人年齢に達すれば誰でも精神的に成熟するわけでも、大人の自覚が生まれるわけでも、自立するわけでもありません。これらは、制度が作り出した規範、幻想です。
民法は、契約や財産、親族関係などに関して「成年」を定めたのですが、民法上の成年は一般的な成年をも意味すると捉えられてきました。この二重の意味づけが成年制度を分かりにくくしていると思います。
しかも、年齢区分の定めは民法だけではありません。…
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