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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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「キャッシングして学費に」 ロシア人留学生の苦悩

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ルーブル札(写真はイメージ)=ゲッティ
ルーブル札(写真はイメージ)=ゲッティ

 日本のロシア人留学生が困窮している。4月から大学に通う女性、レナさん(仮名)は、母国にいる母から仕送りを受けられなくなった。家計簿を見せてもらうと、月収はアルバイトの8万円前後。赤字続きで切羽詰まっている。光熱費や物価の上昇も心配だ。ロシアによるウクライナ侵攻の市民生活への影響は、まだ始まったばかりだ。【大野友嘉子】

 「もともとお金はありませんでしたが、今は本当にないんです」

 母国の家族に迷惑をかけないよう、匿名を条件にオンライン取材に応じたレナさんは、流ちょうな日本語で話し始めた。クレジットカードのキャッシングで現金を借り入れ、学費と生活費に回す。

 「私は無理やり日本に来たようなロシア人です」とレナさんが苦笑いする。日本のアニメのファンだった友人の影響で、中学生の頃に日本語の勉強を始め、2020年に来日。今年3月まで大学進学を目指す外国人向けの専門学校に通った。

 生活費はほぼアルバイト収入でまかなってきた。語学学校のロシア語講師と飲食店のアルバイトを掛け持ちしているが、留学生に許されているアルバイトは週28時間以内だけだ。

 ロシアに住む母からも仕送りを受け、専門学校の学費の一部や、病気や受験でアルバイトができない時期の生活費などに充てていた。その仕送りが途絶えてしまった。

 父親は…

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