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中島岳志・評 『生き直す 免田栄という軌跡』=高峰武・著

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 (弦書房・2200円)

凡庸な悪によって蹂躙された人生

 1948年12月30日未明。熊本県人吉市で祈禱師(きとうし)一家4人が殺傷されているのが見つかった。それから約半月後、免田栄さんが殺人容疑で逮捕される。ちょうど年明けの1月1日に戦後の新しい刑事訴訟法が施行されており、この事件が戦後の重大事件第一号となった。

 一度は容疑を認める自白調書が作成されたものの、まもなく免田さんはアリバイを主張し、容疑を全面否認する。しかし1952年1月5日、最高裁で死刑が確定した。

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