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2005年4月のJR福知山線脱線事故で負傷し、その後自ら命を絶った男性がいる。兵庫県宝塚市の岸本遼太さん(当時25歳)。母早苗さんが息子への思いをつづった歌詞に、遼太さんにピアノを教えていた熊谷啓子さん(60)=神戸市灘区=が曲を付け、「桜の涙」の歌が生まれた。その早苗さんも昨秋、77歳で亡くなった。熊谷さんは「早苗さんが遼ちゃんの生きた証しを残し、他の遺族に頑張ろうと伝えたくて作った曲。歌い継いでいきたい」と話す。
遼太さんがピアノを習い始めたのは、京都市内の大学生だった03年春。熊谷さんが宝塚市の実家で開いていた教室に通い、スタジオジブリのアニメ映画の曲を弾きたいとやる気にあふれていた。「話し方もピアノの音色もやさしい子だった」と熊谷さんは振り返る。
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