酒も交流も熟成させて 佐渡で3年がかりのまちづくり企画

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プロジェクト中心メンバーの(左から)中林さんと岩崎さん、加藤さん=新潟市中央区で2022年4月3日、露木陽介撮影 拡大
プロジェクト中心メンバーの(左から)中林さんと岩崎さん、加藤さん=新潟市中央区で2022年4月3日、露木陽介撮影

 クラウドファンディング(CF)で3年間熟成させた幻の「金鶴」を飲もう――。そんな取り組みが新潟県佐渡市の相川地区で始まった。まちづくりに取り組む「相川車座」とファンづくりを進める「BORDERLESS佐渡」の二つのグループ、そして地酒「金鶴」を製造する「加藤酒造店」の3者がタッグを組み、「金の熟成酒プロジェクト」を発足させた。【露木陽介】

 プロジェクトは「金鶴」を3年間熟成させる特別な日本酒「車座(くるまざ)」の完成を待つ間、CFのリターン(返礼)品として、全国と相川地区との交流を深めることができるさまざまな企画をするものだ。

 自身でバーも経営する相川車座の岩崎元吉士(あきよし)代表理事(51)が経緯を説明する。「まちづくりで大切なのは人のつながり。そして人をつなげるには酒が欠かせない。最初は活動の資金源にするために古酒を販売しようとしていた」。ただ、「それだけでは面白くない」と今回、BORDERLESS佐渡が発案したのが「完成を待つ間に相川と人をつなげ、酒と人間関係の双方を熟成させる」プロジェクトだったという。

 一方で、岩崎さんは「地元の『金鶴』を熟成させたらどんな味になるのだろうか」と、金鶴の古酒の製造を熱望していたという。加藤酒造店がこうした思いに応え、3者によるタッグが実現した。

「金鶴」を3年間熟成させる特別な日本酒「車座(くるまざ)」のイメージ=BORDERLESS佐渡提供 拡大
「金鶴」を3年間熟成させる特別な日本酒「車座(くるまざ)」のイメージ=BORDERLESS佐渡提供

 「『金鶴』はこれまでフレッシュな状態で飲んでいただきたかったので熟成酒とは距離を置いていた。今回は初めての取り組みになる」と同店の加藤一郎専務(38)。一般論として日本酒は熟成させると味に深みとうまみが出るとされるが、金鶴らしさが残りつつもどんな味になるかは「未知数」と話す。

 CFは一口3900円から。5月15日までインターネットで募る。300万円を目標とし、集まった資金は「車座」やオリジナルTシャツといったリターン品の製造のほか、相川地区の清掃活動などに活用される。

 寄付額に応じて、酒蔵にネームプレートを掲示できたりするなどの特典が付く。プロジェクトの総会出席も特典の一つで、熟成を待つ3年の間に佐渡を訪れ、地域との交流を深めてもらう狙いがあるという。

 「ゆかりもない地域に入るにはきっかけがないと難しい。このプロジェクトで観光客ではない街の一員になってもらえたら」とBORDERLESS佐渡の中林憲司さん(43)。相川車座の岩崎さんは「3年間でどんな人が来てくれるのか楽しみ。新潟だけでなく全国から応募を待っています」と呼びかける。

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