IR申請「まさか2カ所…」 観光立国の起爆剤、リスクはないか

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IR・万博会場の夢洲=大阪市此花区で2022年2月12日、本社ヘリから藤井達也撮影
IR・万博会場の夢洲=大阪市此花区で2022年2月12日、本社ヘリから藤井達也撮影

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す自治体の区域整備計画の申請が28日、締め切られた。一時は北海道や横浜市など多くの自治体が誘致を検討したが、結局、手を挙げたのは大阪府・市と長崎県の2カ所にとどまった。日本初のIRの選定は、この2カ所を軸に進むことになる。2014年に当時の安倍晋三政権が「観光立国」戦略の起爆剤として打ち出したIR。構想当初から環境が大きく変化する中、このまま突き進むことに果たしてリスクはないのか。

不人気、政府想定の枠を満たさず

 「まさか2カ所になってしまうとは」。20日、和歌山県が議会の反対で申請断念を決めたことが伝わると、国土交通省の幹部は肩を落とした。政府はIR整備は当面「最大3カ所」としているが、和歌山の撤退で枠を満たさないことになった。斉藤鉄夫国交相は28日の閣議後記者会見で「国として申請数についてのコメントは差し控えたい」としたが、別の国交省幹部は「すっかり不人気な政策になった」と自嘲気味に話す。

 IRは安倍政権が打ち出した観光戦略の目玉で、施設の要件などを盛り込んだIR実施法が成立した18年当時は、自治体による誘致合戦が熱を帯びていた。

 主なターゲットである訪日客は、18年に3000万人を突破。税収や雇用増への期待感から、大阪府・市のほか北海道や千葉市、東京都、横浜市、名古屋市といった自治体が検討に乗り出した。「最大3カ所」という枠はこれらの自治体が競い合うことが前提で、当時、政府内では「官邸にたてつく自…

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