YOUはどこから? 人口4000人の離島にイノシシ600頭

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家島諸島で確認されたイノシシ=2021年5月撮影(兵庫県立大・兵庫県森林動物研究センター提供の動画より)
家島諸島で確認されたイノシシ=2021年5月撮影(兵庫県立大・兵庫県森林動物研究センター提供の動画より)

 瀬戸内海の諸島に、これまで生息していなかったはずのイノシシが大量に出没している。人口約4000人が暮らす島に600頭以上がいるとみられ、農作物が荒らされたり、住民がけがをしたりするトラブルも起きている。君たちはなぜ、どこからやってきたの? その謎を追い、離島へ向かった。

波のまにまに…黒いブイの正体

 2年前の冬、坂本弘信さん(74)は、兵庫県姫路市の家島諸島の沖合で黒い物体が浮かんでいるのを目にした。漁業を営みとして半世紀あまり。「こんな所にブイなんかあったかな」と思いながら、漁船を近づけると、その正体はイノシシだった。「犬かきをするように4本足をばたつかせていた。進む速度は遅く、沈むんちゃうかなと思った」と振り返る。

 家島諸島は姫路市から南西に約18キロの沖合で40以上の島からなる。このうち4島(計約18平方キロ)で人間が生活し、約4000人が暮らす。タイやワタリガニなど豊富な海の幸に恵まれ、漁業が産業の中心だ。

 諸島には元々、イノシシはいなかった。兵庫県立大と兵庫県森林動物研究センターは2020年から個体調査を実施。…

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