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指先のエロス

全盲の落語家・桂福点さんが、魅惑の世界を「指先」案内します。

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バナナ、一皮むけば 「触る」が開く別世界=桂福点

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全盲の落語家、桂福点さん
全盲の落語家、桂福点さん

 かつてNHK教育テレビ(現・Eテレ)で「バイオリンのおけいこ」なる番組があった。ブラウン管の向こうで、くるくるヘアにうるうる瞳の小学6年生くらいのお姉ちゃんが、おバイオリンを弾いていた。その細くしなやかでシラウオのような指先にときめいた小3ぐらいの私は、自宅の前にあった音楽教室に、バイオリンを習いに行くとのたまったのである。

 どう考えても私の所属するプロレタリアな労働者家庭では、バイオリンよりもノコギリの弾き方を学ぶべきだという空気があった。それでも、教室に通い始めたのだ。

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