水俣病公式確認66年 進まぬ救済、続く裁判 実態なお分からず

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早期解決を訴え、3月に開かれたノーモア・ミナマタ第2次訴訟の総決起集会=鹿児島県出水市で2022年3月19日午前10時29分、西貴晴撮影
早期解決を訴え、3月に開かれたノーモア・ミナマタ第2次訴訟の総決起集会=鹿児島県出水市で2022年3月19日午前10時29分、西貴晴撮影

 四大公害病の一つ、水俣病は、1956年の公式確認から、5月1日で66年となる。今なお多くの人が被害に苦しみ、1500人を超える住民が「ノーモア・ミナマタ」を掲げて熊本、東京、大阪の3地裁で救済を求める訴訟を続けている。長期化する訴訟の中で、既に原告約170人が亡くなったという。「公害の原点」に出口はあるのか。原告の多くが住む熊本県の天草地方を訪ねた。

 「裁判で勝って『頑張ったかいがあったなあ』と一緒に言いたかった。もう少し生きてくれたら……」。水俣病の原因企業チッソ(現JNC)水俣工場がある熊本県水俣市から八代海を挟んで北西約20キロの対岸にある同県天草市。2021年3月に妻を80歳で亡くした三宅市夫さん(87)がつぶやいた。

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