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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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人口減少が進む多くの自治体の…

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 人口減少が進む多くの自治体の地方議会にとって、議員のなり手不足や高齢化は共通の悩みの種だ。長野県の伊那谷にある人口約4700人の中川村も例外ではない。村議選は3回連続で候補が定数を上回らず無投票だった▲そこで、何とかなり手を増やそうと、子育て世代の議員の報酬を増額することにした。教育費に配慮し35歳から59歳までに限り、報酬を4段階に分けてかさ上げする▲これまで一般議員は月額17万5000円だったが最も厚くする50代の場合、約7万円上乗せする。若手議員の報酬を増額したケースは他議会にもあるが、細かく段差をつけたのは異例だ▲今夏の改選以降、新報酬に切り替える。といっても現職議員は全員60歳以上で、再選されても増額の対象外だ。山崎啓造議長は「女性や若い人に手を挙げてほしい」と語る▲長野は全国でも町村数が58と多い。県町村議会議長会によると、直近の町村議選の約半数は無投票に終わった。県北東部にある高山村は、議会活動や広報に住民が意見を寄せるモニター制度を足がかりに、議会に関心を寄せる候補者を発掘した。昨年の改選で定数12に15人が手を挙げ、村議選としては12年ぶりの投票が実現した▲全国町村議員の平均報酬月額は約22万円で、都道府県議と比べかなり低い。政務活動費も町村議会の8割は不支給だ。普段の活動に住民の理解と関心が得られることが、もちろんなり手を増やす王道だ。それでも工夫をこらさねば一筋縄でいかぬ、人材事情である。

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