途上国の農産物廃棄救う 神戸の企業、太陽光発電の冷凍コンテナ設置

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キヴコールドグループの冷凍コンテナが設置されて記念撮影する人たち=ルワンダで2021年12月(同社提供)
キヴコールドグループの冷凍コンテナが設置されて記念撮影する人たち=ルワンダで2021年12月(同社提供)

 物流会社「コールドストレージ・ジャパン」(神戸市中央区)は、アフリカのルワンダに現地企業などと協力して太陽光発電の冷凍コンテナを設置した。赤道直下の同国は低温で保管、流通するインフラが十分でなく、農産物の廃棄が問題となっており、新たな低温流通の構築で問題解決を目指す。

 同社は後藤大悟社長が2018年11月に設立した。電力関連や大手電機メーカーを主な取引先とする物流会社の後継ぎだったが、新事業に取り組むために独立。都市部の大規模な冷蔵・冷凍施設を中心とした中央集権的な従来の低温流通に対し、農家らがそれぞれに設備を設け、産地から直接、市場や小売店に届ける仕組みづくりの構築を進めている。建築確認や衛生管理基準に対応した冷凍コンテナのほか、高機能保冷剤などを各企業と共同開発。ジビエ業者や水産加工業者などで導入されている。

 大陸進出のきっかけは日本とアフリカ各国が参加する19年の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)だった。ルワンダのICT商工会議所CEOのアレックス・ンターレ氏が同社のブースを訪れた。同国では生産段階や収穫後に農産物の3~4割が廃棄などで損失している。電力網がなく、冷蔵・冷凍の倉庫やトラックが普及していないことが一因だ。アレックス氏は同社との出会いについて、「農家の減収にもつながる『ポストハーベス…

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