女子サッカーWEリーグ 観客目標5000人も 発足元年の現実
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日本初の女子プロサッカーリーグとして昨年9月にスタートした「WEリーグ」は22日、今季の最終節を迎える。日本の女子サッカーは、世界一になった日本代表「なでしこジャパン」の活躍で盛り上がったが、新リーグは観客動員で苦戦する。女性活躍推進を掲げるリーグの現状と課題を追った。
4月23日、東京・味の素スタジアム。Jリーグとの初の共催試合として、男子のJ2の試合終了から約2時間後、WEリーグの「日テレ・東京ヴェルディベレーザ―ジェフユナイテッド市原・千葉レディース」の試合が始まった。どちらも男女のチームを抱えるクラブ同士のため実現し、チケットも通しで販売され、2試合とも観戦する親子連れもいた。新たなファン開拓を目指した試みだが、入場者数はJ2の5110人に対して1591人。空席の増えたスタンドは、WEリーグが置かれた現実の厳しさを物語っていた。
WEリーグは、国内最高峰だった「なでしこリーグ」(アマチュアリーグとして存続)からの9クラブと、新設2クラブの計11クラブで発足。「女子プロサッカー選手の確立」を目指し、各クラブに15人以上とのプロ契約(最低年俸270万円)を求めた。欧州主要リーグと同じく、秋に開幕し翌春に終了する「秋春制」を採用した。
だが、船出から難局に直面している。1試合の観客動員目標は、損益分岐点が5000人弱と見込まれることから5000人に設定したが、5月8日現在で平均1432人と目標の3分の1以下。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年なでしこリーグ1部の平均1340人から微増にとどまる。
3クラブが平均2000人を超すが目標の50%に届かず、最少のノジマステラ神奈川相模原は925人。秋春制により降雪期の12月から約3カ月間の中断を設けたことで露出が減ったことも影響したとみられる。新型コロナもあり、リーグトップの岡島喜久子チェア(64)は「各クラブとも入場料収入がスタジアムの経費に対して黒字になるところまでいっていない。興行として成り立たない…
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