教育は誰のため?考える好機 「野球のカリスマ監督」猿橋善宏さん
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

宮城・仙台育英高で硬式野球部長を務める猿橋善宏さん(60)は、宮城県の公立中で長年にわたって野球部監督を務め、4回の全国大会出場を果たした。「軟式野球のカリスマ監督」と呼ばれ、教員として人間教育の視点から部活動に情熱を注いだからこそ「地域移行」に伴う部活改革の課題を感じている。【聞き手・川村咲平】
――部活の意義をどうお考えですか。
◆時代の移ろいとともに、部活の意義は大きく変わりました。私が教員に採用された1980年代は学校が荒廃した時代で、部活指導を通じて生徒を管理する意味がすごく大きかった。裏を返せば、部活の場面しか生徒に常識的な行動を教えられないほど、生徒の有り余るエネルギーを方向付けることが難しかった時代だった。部活はかつて、集団行動を大切にさせたり、礼儀作法を身に付けさせたりする場所という位置付けだったが、時代とともに音楽やスポーツを教育的効果を最大限に発揮する「仕掛け」ととらえ、周囲の人間との関係性を構築し、自己実現を目指す場所に役割を変えた。授業だけでは身に付けられない(テストなどで数値化することが難しい)「非認知能力」を補うには最適の機会になった。
――一方で、部活には「厳し過ぎる指導」という否定的な印象があり、教員の負担が大き過ぎるという課題も浮き彫りになりました。
◆あまりに集団統制的な活動が長く続き過ぎたために、「ブラック部活」という言葉に象徴され…
この記事は有料記事です。
残り2274文字(全文2870文字)
時系列で見る
-
部活地域移行はスポーツ文化生む好機 有識者会議座長・友添秀則さん
330日前 -
どうなる、部活改革=回答・小林悠太
344日前 -
室伏長官「年間同じスポーツは燃え尽きリスク」 部活地域移行巡り
363日前 -
「最後のチャンス」も「新たな経済格差」の懸念 部活の地域移行
363日前動画あり -
公立中の部活、地域移行提言 スポ庁会議 23年度から3年間で
363日前 -
中学校の全国大会に民間クラブ参加を容認 中体連、23年度から
366日前 -
運動部活動、学校から地域へ スポーツ庁検討会議が提言案
369日前 -
部活の地域移行、井上康生さんら議論 「子供の成長に適した環境を」
373日前 -
「体育会系の文化部」吹奏楽部 楽器運搬、指導者…地域移行に壁
389日前 -
教育は誰のため?考える好機 「野球のカリスマ監督」猿橋善宏さん
395日前 -
公立中で柔道「部活っていいな」 リオ五輪銅メダル・羽賀龍之介
396日前 -
「学校の手綱」地域移行で消える危惧 NPO理事長・米田修さん
397日前 -
移行ではなく業務委託を 元埼玉県スポーツ局長・久保正美さん
398日前 -
保護者と学校、気になる関係希薄化 関東学院大・青柳健隆准教授
399日前 -
部活を地域へ「公立・休日限定」の慎重提言案 実効性に「?」も
404日前深掘り -
「顧問は辞書的であれ」 日本部活動学会初代会長、長沼豊さん
405日前 -
部活動の地域移行、3年間で集中推進 スポーツ庁検討会議提言へ
405日前スクープ -
部活動かJクラブか サッカー新潟シンガポール監督・吉永一明さん
414日前 -
中途退部の球児、クラブが受け皿に 「教育」から「競技」その真意
414日前