「ママ守る」死亡3歳の恐竜抱き寄せ 3人乗り自転車、母が初告白

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川上朝輝ちゃんを失った母親は、恐竜のおもちゃを抱き寄せながら毎日新聞の取材に応じた=東大阪市で2022年4月19日、山崎一輝撮影
川上朝輝ちゃんを失った母親は、恐竜のおもちゃを抱き寄せながら毎日新聞の取材に応じた=東大阪市で2022年4月19日、山崎一輝撮影

 朝日みたいなキラキラと輝く人生を送れますように――。そんな願いを名に込めた3歳の次男は母子3人乗りの電動自転車で移動中、トラックにはねられて命を落とした。「ママは姫。ずっと守ってあげる」。子育てや家事に追われていても、あの口癖やとびっきりの笑顔にどれだけ救われただろうか。母親(37)は最愛の息子を失った悲しみに暮れ、インターネットにあふれる自身の「親子乗り」への批判や中傷にも心を痛めている。

 一瞬の出来事だった。「危ない。止まって」。転倒した自転車前方のチャイルドシートにいた川上朝輝(あさひ)ちゃんに、トラックが迫っていた。母親は必死に叫んだが、間に合わなかった。

 さっきまであんなにはしゃいでいたのに――。体を抱きかかえて何度も名前を呼び続けたが、朝輝ちゃんはぐったりしたままだった。報道機関の取材に初めて応じた母親は、「大切な、大切な幼い命が犠牲になった現実を今も受け止められない」と涙ぐんだ。

 事故は4月11日午前8時55分ごろ、自宅から近い東大阪市善根寺町2の国道170号で起きた。この道は交通量が多く、道幅が狭い片側1車線で歩道もない。母親は長男(5)を幼稚園に送り届けようと、自転車の前に朝輝ちゃん、後部座席に長男を乗せていた。

 狭い路肩を走っていた時だった。接近してきたトラックが路肩の方に寄ったように感じた直後、自転車のバランスが崩れて転倒した。3人乗りの電動自転車は総重量が100キロを超えることもあり、自力で起こすのは難しい。座席にとどまるような状態で路面に投げ出された朝輝ちゃんはそのままはねられた。

「不運」と言われても

 夫が出勤し、育児と家事が集中する「ワンオペ育児」の朝はせわしない。あの日は特に慌ただし…

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