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木村 衣有子・評『生き抜くためのごはんの作り方』河出書房新社/編
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自分で自分を養い癒やすために作る
◆『生き抜くためのごはんの作り方 悩みに効く16人のレシピ』河出書房新社/編(河出書房新社/税込み1562円)
この本は「14歳の世渡り術」というシリーズの一冊だ。16人の料理研究家が、14歳という年頃に向けて、料理の効用についてのエッセイと、レシピをひとつ開陳している。多くは、ひとりぽつねんとしてしまったときに自らを助けてくれる、材料の入手もたやすく、そう手間はかからないレシピである。たとえば、うどん。とはいえ、私自身がティーンエイジャーの頃には、うちでは誰もつくらないようなメニュー、見栄えのする品に気持ちが向いていたものだった。当時、うまくできた記憶があるのは、ロールキャベツとか、蟹(かに)と玉子のスープとか。それもあって、14歳にはうどんはそれほどぐっとこないのではとちらりと思ってしまう。…
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