現役世代をむしばむ社会保障費 氷河期世代の高齢化で国の財政は

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室橋祐貴・日本若者協議会代表理事=東京都千代田区で2022年4月14日午前11時54分、神足俊輔撮影
室橋祐貴・日本若者協議会代表理事=東京都千代田区で2022年4月14日午前11時54分、神足俊輔撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、正社員を前提とした雇用の「セーフティーネット」のほころびが目立つ。少子高齢化が進む中、非正規雇用の割合が高く、将来への不安を募らせるのが若年世代だ。若者世代の声を社会に届ける活動を展開する日本若者協議会・室橋祐貴代表理事(33)は政府が進める社会保障改革に厳しい見方を示す。

現役負担、どう減らすかまず議論を

 ――政府の「全世代型社会保障構築会議」をどう見ていますか。

 ◆あまり新しい施策はないと感じた。子育て環境の整備や、厚生年金の適用拡大はこれまでも議論されてきた。少子化の大きな原因として、現役世代の可処分所得が2000年以降、減少傾向にあることが挙げられる。賃金は上がらない一方で、社会保険料は年々上がり、大学授業料の高騰で卒業後も奨学金を何十年も返済している。そんな現役世代の負担をどう減らし、高齢者への負担をどう求めていくか。そこを議論すべきだ。

 また今回の議論に、労働分野に関するトピックがほとんど入っていない。これまで日本の現役世代の社会保障は、企業が大きな役割を果たしてきた。(主に正社員向けの)福利厚生の一環で、住宅手当や子育て手当を支給してきたのが一例だ。非正規労働者が労働者の4割を占める今、正社員でないことを理由にこうした手当類を受けられない場合が多い。また企業の体力も落ち、手当を縮小する動きも出ている。

 欧米では会社が社会保障の役割を担うケースはあまりなく、社会保障におけるベーシックサービスは政府がカバーしている。日本も移行すべきだ。

 ――企業による家族支援が薄れてきている中、国が支援すべきだということですか。

 ◆そうしないといけない。国も問題意識は持っている。日本は家族分野への支出がヨーロッパ(多くの欧州諸国)に比べて少ないが、待機児童解消に向けた施策を含む家族関係の支出は、14年度と19年度を比較すると4兆円ほど増えている。

 しかし支援の範囲はもっと広げるべきだ。例えば、…

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