- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

資源量がほぼ無尽蔵で、取り扱いが簡単なマグネシウム電池は、次世代電池の呼び声が高まっている。東京工業大の矢部孝名誉教授(数値流体力学)は、従来の約10倍の出力を誇る独自の電池を開発、製品化した。マグネシウム電池が切り開く未来の循環型社会とは。
マグネシウムは、ジュラルミンケースや自動車、航空機の部品などに使われる金属だ。鉱山だけで85億トン、海水には1800兆トンもあるとされる。矢部さんは2000年代半ばからエネルギー源として使うことを提唱し、マグネシウム電池の研究に取り組んできた。
電池は、電極(正極と負極)の間に電解液を入れ、化学反応を起こして電子をつくり、電気を起こす。マグネシウム電池では、負極にマグネシウム、正極に活性炭、電解液に食塩水を使う。マグネシウムから放出された電子が正極に移動して電気が流れ、正極に取り込まれた空気や水と反応する仕組みだ。
この記事は有料記事です。
残り1419文字(全文1802文字)