天の川銀河の巨大ブラックホール撮影 国際研究チーム、2例目

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天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール=EHTcollaboration提供
天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール=EHTcollaboration提供

 太陽系がある天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの影を撮影したと、日米欧などの国際研究チームが12日発表した。チームは2019年に別の銀河の中心にある宇宙最大級のブラックホールを初めて撮影しており、今回が2例目。

 われわれが住む銀河の中心がブラックホールであることが初めて証明され、銀河の起源や進化を解明する手がかりとなる。

 天の川銀河は中央部が棒状になった棒渦巻き銀河だ。地球から約2万7000光年離れた中心核には「いて座Aスター」という強い電波源がある。この中に太陽の約400万倍の質量がある巨大ブラックホールがあると考えられてきたが、ブラックホールは光すら外に出られず、見かけの大きさが極めて小さいため、観測が難しかった。

 チームは17年4月、高解像度の電波望遠鏡で、いて座Aスターが出す電波を精密に観測して解析。ブラックホールのごく近くにあるガスに黒い影を浮かび上がらせた。

 チームはこのとき、地球から約5500万光年離れた楕円(だえん)銀河「M87」の中心にある太陽の約65億倍の質量を持つブラックホールも同時に観測し、世界初の撮影に成功していた。いて座AスターはM87のブラックホールより質量が小さく、周囲のガスなどが短い時間で回転しており、画像化が難しかったという。

 チームは南米チリやハワイ、南極など6カ所8台の電波望遠鏡を連動させて観測した。人の目に例えると「視力300万」で、月面に置いたゴルフボールを見分けるほどの能力がある。

 ブラックホールはアインシュタインの一般相対性理論で存在が予測された。いて座Aスターに目に見えない超大質量の物体があることを発見した成果は、20年のノーベル物理学賞を受賞した。今回の成果はこれらの理論の新たな裏付けとなる。【垂水友里香、鳥井真平、池田知広】

ブラックホール

 重力が大きく、その周囲に近づくと物質や光さえも脱出できなくなる天体。重い星が一生を終え、自己の重力で収縮してできると考えられているほか、銀河の中心にも巨大ブラックホールが存在する。これまでは周囲にあるガスが形成する円盤や、円盤と垂直なガスの噴流(ジェット)の観測から、間接的にその存在が証明されてきた。

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