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終戦後27年間、米国統治下にあった沖縄が日本に復帰してから、15日で50年を迎える。お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリさん(49)は、復帰1週間後の沖縄に生まれて「復帰っ子」と呼ばれてきた。その目に、50年の節目はどう映るのか。里帰りしたゴリさんに、那覇市で聞いた。
1972年に生まれたゴリさんは、県民の4人に1人が亡くなったという沖縄戦も、統治下の生活も知らない。米軍基地があることが当たり前で、アメリカの音楽やファッションに憧れて育った。だが、年を重ねるにつれ、復帰の年に生まれたことが意味を持ち始めたという。「小さな使命感のようなものがありますね。『沖縄のために尽くしなさい』と言われているような気がして」。ゴリさんにとって、生まれ育った沖縄は「血と骨」そのものだと力を込める。
4月中旬の昼下がり、那覇市の国際通りに敷かれた赤いカーペットを歩くゴリさんは、晴れやかな表情を見せていた。所属する吉本興業が運営に携わり、14回目を迎えた沖縄国際映画祭のハイライトだ。沖縄を題材にした映画や舞台などが2日間にわたり披露された。ゴリさんは映画祭に参加する常連で、今回はイベントの進行役などを務めた。
新型コロナウイルス禍で3年ぶりとなったレッドカーペットで、ゴリさんは感慨を語った。「沖縄で大きな映画祭が成功するのかなと思っていましたが、春の風物詩として定着した。こんなにうれしいことはないです」。観光業に依存する沖縄に、新しい産業としてエンターテインメントを根付かせようと奮闘してきた。その思いが伝わった手応えを感じていたのだろう。
口調も軽やかなお笑い芸人には、別の横顔がある。4月、初の小説「海ヤカラ」を刊行した。小説は子どもたちに沖縄の歴史を伝えるこの上ない表現手段だと、ゴリさんは考えていた。
舞台は米国統治下にあった70年の糸満の港町だ。…
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