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小倉義明(おぐら・よしあき)さん(49)
長期化する日銀の低金利政策が、地域金融機関の体力を消耗させている。さらに、人口減少と技術革新の停滞で資金需要が弱まる一方で、金融と情報技術を組み合わせた「フィンテック」が発展し、金融業に異業種が参入、競争は激しくなるばかりだ。そんな地域金融機関を取り巻く状況を、データを駆使した独自の実証分析で明らかにした「地域金融の経済学」(慶応義塾大学出版会)で、第62回エコノミスト賞を受賞した。
研究分野を決めるきっかけは、大学の学部卒後に就職した日銀小樽支店時代にある。金融危機前夜の1996年、「北海道拓殖銀行(現北洋銀行)の経営悪化が、中小企業の資金繰りに悪影響を及ぼし始めていた」。その光景は出身地の静岡県沼津市で目にした商店街や観光業の衰退、父親が勤める自動車メーカーの経営不振にも重なった。
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