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沖縄復帰50年

2022年5月15日、沖縄は本土に復帰して50年を迎えました。何が変わり、何が変わっていないのか。沖縄の歩みと「今」を伝えます。

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自衛隊の緊急患者輸送1万回 沖縄の離島医療支え、命つないだ50年

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1万回目となる患者の緊急輸送で那覇基地に到着し、患者を消防に引き渡す陸上自衛隊第15ヘリコプター隊員ら=2022年4月6日(陸自西部方面隊提供)
1万回目となる患者の緊急輸送で那覇基地に到着し、患者を消防に引き渡す陸上自衛隊第15ヘリコプター隊員ら=2022年4月6日(陸自西部方面隊提供)

 沖縄県に駐屯する陸上自衛隊ヘリコプター部隊による、離島からの患者の緊急輸送が4月、累計で1万回を超えた。輸送が始まったのは沖縄が日本に復帰し、部隊が配置された1972年。多くの困難を乗り越え、半世紀にわたり続けられた“命の輸送”は、自衛隊を複雑な思いで受け入れた住民の信頼獲得に貢献してきた。一方、部隊の歴史は沖縄の脆弱(ぜいじゃく)な離島医療体制の現実を突き付ける。

米軍から引き継いだ業務は手探り

 4月6日午後2時54分、第15ヘリコプター隊所属の大型輸送ヘリ「CH47」が約400キロ離れた沖縄・南大東島から、駐屯する航空自衛隊那覇基地(那覇市)に着陸した。エプロンで待機していた消防に引き継がれたのは、足を骨折した女性。高齢で民間機の輸送は困難だった。これが1万回目の輸送となった。

 地上で指揮に当たった後村(うしろむら)幸治隊長(44)は淡々と隊員を迎え入れた。「1万回を達成したとはいえ、輸送自体は望ましい話ではない。一件一件患者さんの容体に合わせて任務に当たることだけを考えています」

 本島を含め約160の島々からなる沖縄は東西約1000キロ、南北約400キロに人が住む37の離島があり、離島の医療資…

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【沖縄復帰50年】

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