生活保護「使い勝手の悪さ」どう見直すか 専門家が指摘する課題

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
岩田正美・日本女子大名誉教授=東京都千代田区で2022年4月25日午後3時37分、中川友希撮影
岩田正美・日本女子大名誉教授=東京都千代田区で2022年4月25日午後3時37分、中川友希撮影

 社会保障の課題を議論する政府の全世代型社会保障構築会議に欠けている論点はないのか。貧困・社会的排除論が専門の岩田正美・日本女子大名誉教授に話を聞くと、「最後のセーフティーネット」とされる生活保護の「使い勝手」の悪さに関する提言があった。

改革の背景にある「構図」

 ――会議での議論をどう見ているか。

 ◆まず、「全世代型」という言葉が使われるようになったのは、年金が自らの保険料を積み立てる「積み立て方式」から、現在の現役世代の保険料を高齢者の給付に充てる「賦課方式」になったことや、介護保険の拡大などから、社会保障の給付が高齢者に偏っているという見方が強くなったからだろう。だが、もともと社会保障は、「全世代」に公平な給付を目指したわけではない。人の一生には生活が困難になりやすい共通のステージがある。たとえば、子どもの養育や労働市場から引退する高齢期が典型だ。この特定のステージにおける生活リスクをあらかじめ予防するのが社会保障の一つの役割だ。人の一生では幼年期や老年期などの段階をみんなが経験する。今の「現役世代」も高齢期を迎えれば年金の世話になる、というように、負担も給付も順送りに過ぎない。

 もちろん社会保障の機能は、今ある格差や不平等を、所得の再分配や、医療などの専門的なサービスの公平な利用で是正していく役割を持つ。だから、社会の安定や成長の基礎を作るという意味で重要だ。

揺らぐ「最低生活保障」

 ――現在の社会保障の問題点、課題は。

 ◆現在の社会保…

この記事は有料記事です。

残り1808文字(全文2438文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集