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今週の本棚・なつかしい一冊

ピーター・J・マクミラン・選 『大転落』=イーヴリン・ウォー作、富山太佳夫・訳

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 (岩波文庫 924円)

 記者であり作家でもあった私の母が、16カ月前に他界した後、私は彼女の図書を相続した。母は熱心な読書家で、10代の頃の私にたくさんの作家を教えてくれた。アイルランドでの母の葬儀が終わった後、全ての本を日本に持って帰ることはできなかったので、私は運べる本だけを選んだ。母が所蔵する本の中に、イングランドの小説家イーヴリン・ウォーが書いた二冊の小説を見つけた。私が初めて母と一緒に読んだ記憶がある本のうちの二冊、『一握の塵(ちり)(A Handful of Dust)』『大転落(Decline and Fall)』だ。

 『大転落』(1928年)は、ウォーのデビュー作である。20年代のイギリス社会を風刺する、作者の特徴的なブラックユーモアの小説だ。

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