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養老孟司・評 『道徳教室 いい人じゃなきゃダメですか』=高橋秀実・著

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 (ポプラ社・1760円)

髙橋流、現代日本社会の解析

 著者髙橋秀実(ひでみね)は優れたノンフィクション作家である。現代日本社会のさまざまな局面について、その実情を伝える。今回は小学校の道徳教育が主題である。しかし、それが将棋倒しのように次々に発展して、政治家の発言、ハラスメント、スマホ、ロボット、エコバッグなどに及ぶ。話がつながっていないようで、じつは現代日本社会のあり方が、道徳の教科書で教えられる表現に直結していることを知らされる。

 著者の既刊作品は多く、『からくり民主主義』は基地や原発の町の実情をとらえた名作であった。『ご先祖様はどちら様』は第十回小林秀雄賞を受賞している。今回もそれらに劣らぬ優れた作品で、現代日本の道徳的思想(そんなものがあるとすれば)の淵源(えんげん)を解明する。

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