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(KADOKAWA・1870円)
刺さったまま抜けぬ不条理と限界
一度目にしたら忘れられないタイトルは、著者が関わった二つの未解決事件に由来する。全ての時効が成立してもなお、心に棘(とげ)は刺さったままだ。兵庫県警の刑事だった著者は、1984年のグリコ・森永事件、87年5月3日の朝日新聞阪神支局襲撃事件を軸に、これらの事件が残す教訓と課題を後世に伝えようと本書を書く。
記者襲撃という空前のテロ事件から35年がたった今春、朝日新聞が特集した記事の一つに著者が登場していた。無数の付箋が貼られた資料とともに映った著者の姿に圧倒された。捜査が行き詰まった時、「まず、書いてみる」を実践していた現役時代の眼光そのままの姿で映っていたからだ。
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