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沖縄復帰50年

2022年5月15日、沖縄は本土に復帰して50年を迎えます。何が変わり、何が変わっていないのか。沖縄の歩みと「今」を伝えます。

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牛歩戦術で抗議 信念貫く前市長 「基地の島の不条理、感じて」

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辺野古の埋め立て用土砂を船に積み込む桟橋の近くで、抗議活動をする稲嶺進さん=沖縄県名護市で2022年3月7日午前9時39分、喜屋武真之介撮影
辺野古の埋め立て用土砂を船に積み込む桟橋の近くで、抗議活動をする稲嶺進さん=沖縄県名護市で2022年3月7日午前9時39分、喜屋武真之介撮影

 今にも雨が降り出しそうな3月の空の下、土砂を積んだダンプカーが次々と港に入っていく。車列が横切ろうとする歩道では進行を遮るように、沖縄県名護市の前市長、稲嶺進さん(76)がゆっくりとした足取りで何度も往復していた。少しでも、一分一秒でもいいから、土砂の運搬を遅らせたい――。

 沖縄本島北部の西海岸にある名護市安和(あわ)の「琉球セメント」の桟橋出入り口前。ここから大量の埋め立て用の土砂が運搬船に積み込まれ、反対の東海岸側にある辺野古へと運ばれていく。米軍普天間飛行場(宜野湾市)を辺野古沿岸部に移設するための作業の一環だ。

 桟橋出入り口前で、稲嶺さんは仲間とともに「牛歩」による抗議活動を続ける。警備員はその姿を見ながら「横断する方、速やかに渡ってください」と何度も声を上げていた。

 現場の前の道路は、人気観光施設「沖縄美(ちゅ)ら海水族館」に続くルートになっている。通り過ぎていくレンタカーに稲嶺さんは手を振った。「県外から来る人たちにも、我々がいつも言っている沖縄の『不条理』な現状を自分事として感じてほしい」

 3選を目指した2018年2月の市長選で敗れた。今は、一人の市民として毎週月曜日には、安和での土砂積み込み作業への抗議を続けている。「もう後期高齢者だから、足腰にくるね。ずっと立ちっぱなしはきついんだよな」

 抗議活動に参加している元今帰仁(なきじん)村長の与那嶺幸人さん(74)は言った。「新たな基地建設には反対という意思表示です。…

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