愛され、時に疎まれる キツネと暮らすロンドン

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口を大きく開けるキツネ=ロンドン市内で2022年5月1日、篠田航一撮影
口を大きく開けるキツネ=ロンドン市内で2022年5月1日、篠田航一撮影

 英国の首都ロンドンは「キツネの都」だ。市内各地では驚くほど多くのキツネを見かける。その数は約1万匹とも推測されるが、なぜこれほど多いのか。

 「ほら、キツネがあなたを見ていますよ。新しい入居者を歓迎しているのでしょう」。アパートの大家の男性から言われ、窓の外に目をやった。ロンドンに赴任した4月、集合住宅に入居した初日のことだった。庭の物置の屋根にはキツネが2匹いて、こちらをじっと見ていた。

 ロンドンでは都心でもキツネが出没する。2020年2月には英議会の建物にまでキツネが迷い込み、与野党議員がツイッターで報告するなど話題になった。

 なぜ多いのか。英国のキツネ愛護団体「フォックス・プロジェクト」創設者のトレバー・ウィリアムズ氏に聞くと、「明確には分からない」としつつも、キツネにとってすみやすいロンドンの住環境を挙げる。

 「1940~50年代にはまだ田舎だった地域が、ロンドンの住宅拡張によって『ロンドン郊外』となりました。こうして…

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