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沖縄復帰50年

2022年5月15日、沖縄は本土に復帰して50年を迎えました。何が変わり、何が変わっていないのか。沖縄の歩みと「今」を伝えます。

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モヤモヤいつまで?朝ドラ「ちむどんどん」ウォッチャーのため息

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主役の比嘉暢子を演じる黒島結菜
主役の比嘉暢子を演じる黒島結菜

 4月にスタートしたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」。沖縄北部のやんばるを舞台に、比嘉家の次女・暢子(黒島結菜)の成長を描く。比嘉家はさまざまな困難に見舞われるが、暢子は一流の料理人を目指して東京へ旅立った。本土復帰から50年を迎える節目のドラマだけに、ツイッター上もあれこれにぎわせている。放送担当の記者4人が語り合った。【屋代尚則、稲垣衆史、松原由佳、江畑佳明】

「明るさ」と「貧しさ」

 屋代 放送開始からひと月たったけど、「ちむどんどん」してる?

 江畑 年末の流行語大賞に選ばれるんじゃないかと、期待して毎回見てるんだけど……。その気配はイマイチ感じないなあ。

 稲垣 暢子の口癖で「胸がドキドキする」という意味だよね。うーん、「モヤモヤ」のほうが強いかな。「ちむモヤモヤ」かも。

 松原 私もなんだかモヤモヤする。でも、好きな場面はあって。暢子が就職を希望していた会社に、母・優子(仲間由紀恵)と一緒に行くところ。暢子が社長の息子を殴りそうになったことをわびるんだけど、「女のくせに強情だ」「女は女らしく」と見下され、「ここで働きたくない」と就職をずばっと断る。「どういう娘さんです?」と問われ、母がにっこりして「自慢の娘です」と言い切る。2人の姿に拍手したくなった。

 稲垣 沖縄のホームドラマのイメージって、貧しくても「なんくるないさー」(なんとかなるよ)という明るさがある。自分は、2001年放送の同じく沖縄を舞台とした朝ドラ「ちゅらさん」の印象が大きくて。自分は当時は学生で、就職氷河期。さらに「9・11」で世界が混乱していたけど、ドラマを見て前向きな気持ちになれた。今もコロナやロシアのウクライナ侵攻で大変な時代。父が亡くなって急に7年後の一家が描かれ、「残った借金はどうなったの?」と違和感があったけど、それは置いておいて、とにかく明るさを前面に出していいと思う。

 松原 貧しさといえば、教師になった長女・良子(川口春奈)が内緒でワンピースとパンプスを買ったことを告白し、「(給料から)いつものお金を渡せない」と母に謝罪する場面が印象的。「貧しさを恥じた自分が恥ずかしい。貧しくても心豊かに暮らせば幸せに生きられる、と思っていたのに」と涙を流し、母は「良子が楽しかったらそれが一番。謝らんでいいさあ」と抱き寄せる。けなげな良子にじーんときた。

 屋代 そうなると問題はやっぱり長男・賢秀(竜星涼)だよね。…

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【沖縄復帰50年】

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