「命どぅ宝」に込めたテーマ 沖縄ブーム起こした「ちゅらさん」秘話
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沖縄の芸能、エンタメは、沖縄戦で大きく傷付いた沖縄の人々を、そして沖縄を訪れる人々を、励まし、癒やし、元気づけてきた。日本復帰から50年。まずは21年前に「沖縄ブーム」を巻き起こしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ちゅらさん」。地元出身の女優、国仲涼子さんの出世作でもある。「太陽に当たっているみたいに元気になる。そのイメージにぴったりだった」。撮影現場を取材していた記者が、当時のプロデューサーに会いに行き、今だからこそ語れるオーディションの秘話、撮影のエピソードを聞いた。前編と後編に分けてお伝えする。【油井雅和】
ちゃぶ台で家族が食事するドラマを
松の内が明けた2001年冬の那覇市。地元の人は「寒い」と話していたが、東京から取材で足を運んだ私には太陽が降り注ぎ、暑すぎもせず寒くもなく、吹き抜ける風も実に心地よかった。
市内中心部で、朝ドラ「ちゅらさん」の撮影は進んでいた。国際通りの書店に入る学生服姿の恵里(愛称えりぃ)=国仲涼子。その姿をタクシー運転中に見かけ、心配そうな父・恵文(けいぶん)=堺正章。すぐ近くの市場では、母・勝子(田中好子)が黄色いエプロン姿でサーターアンダギーを揚げていた。
「ちゅらさん」(沖縄のことば、うちなーぐちで「清らか」という意味)は、2001年4~9月に放送された。
「最初から沖縄で、ではなかった。朝ドラを担当することになり、朝ドラってホームドラマだよねという感覚があって、ちゃぶ台を囲んで家族みんなで食事するようなドラマをやりたい。それが一番なじむのはどこだろうと考え、それが沖縄だった」。久しぶりに会った当時のプロデューサー、菅康弘さん(63)=NHKエンタープライズ常務=はそう振り返る。
脚本は岡田恵和さん。ヒロインの国仲さんは沖縄出身でオーディションで選ばれた。沖縄が舞台の朝ドラは初めてだった。
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