「ちむどんどん」へ続く道 沖縄ブーム起こした「ちゅらさん」秘話
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沖縄の日本復帰から50年。芸能、エンタメは、沖縄戦で大きく傷付いた沖縄の人々を、そして沖縄を訪れる人々を、励まし、癒やし、元気づけてきた。後編は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ちゅらさん」が注目を集めてから、予想外のブレーク、沖縄出身者の音楽コラボ、印象的なエンディングまで「沖縄ブーム」を仕掛けていく制作の背景を振り返る。そして、現在の朝ドラ「ちむどんどん」へと沖縄の、朝ドラの歴史を紡いでいきたい。【油井雅和】
当時のプロデューサー、菅康弘さん(63)=NHKエンタープライズ常務=も予想していないブレークだった。ドラマで一山当てようと兄の恵尚(ゴリ)が考え、失敗するマスコット人形「ゴーヤーマン」だ。沖縄土産として売り出したがさっぱり売れず、借金を抱えて、古波蔵家をピンチに追いやった。
「ドラマに映すためにゴーヤーマンを作ろうと、うちのデザイナーに頼んだ。外部に頼んだらお金がかかるから、ドラマの中で使うだけなんだから描いてくれよと」
注文として出したのは、ヘルメットは工事現場の安全第一のマークをつけて、靴は長靴、マントは○にゴの字。「キャラクターは樹脂を流す型から作らないといけない。1個というわけにはいかないし、100個だといくらかかるんだということで、50個ぐらい作った」
すると、NHKの関連会社からこれを商品にできませんか、と話が持ち上がった。「沖縄のお土産で売るのだと。いいですよと言ったけれど、売れるのかなこんなものが、と思ったら、売れたんですよこれが」
ドラマのストーリーとは反対に、実際の土産品店にずらりと並んだ「ゴーヤーマン」グッズは大人気となった。
BEGINとKiroroが共演
沖縄のおおらかさがドラマ全体を包み、予想以上の反響があり、沖縄ブームのきっかけとも言われた。主題歌も沖縄出身の女性デュオKiroro(キロロ)が担当し、沖縄出身のバンドBEGINの比嘉栄昇(えいしょう)さんもドラマに登場した。
「栄昇くんは私が大阪放送局時代に飲み屋で会って、両方とも酔っ払って話をしたことがあって、出てもらおうよと。でも、すごい断られて。『セリフなんか言えません』って。でもとにかく頼んで出てもらいました」
…
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