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1枚の板がぐにゃっと曲がる。吉野ヒノキを生かした曲げの技だ。「三宝(さんぼう)」と呼ばれる神具作りに受け継がれてきた。下市町の吉谷木工所6代目、吉谷侑輝さん(32)は、この技を応用した日用雑貨品作りに励んでいる。「伝統を大切にしながら、新たな可能性を探りたい」と情熱を燃やす。【小柳津早霧】
「三宝って何ですか、とよく聞かれます。正月の鏡餅、月見団子を載せる台のこと。見たことはあるが、名前を知らないという方が多いです」と吉谷さん。
下市町では古くから三宝作りが盛んだ。約700年前の南北朝時代、南朝の後醍醐天皇への献上物を載せる器として使われたのが始まりとされる。現在、吉野郡内の4軒で、全国シェア80~90%を占める。
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