似て非なる二つのブラックホール画像 比較で迫る宇宙、銀河の謎
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私たちが住む天の川銀河の中心にあるブラックホールの影の撮影に、日米欧などの国際研究チームが成功した。チームは2019年、別の巨大銀河M87のブラックホールで初撮影に成功している。二つの「黒い穴」は、宇宙や銀河のどんな謎に迫るのだろうか。
「天の川銀河で証明」
ドーナツ状のオレンジ色の光に囲まれた「黒い穴」がスクリーンに映し出された。日本時間の12日午後10時から世界7カ所で同時に始まった記者会見。東京都内の会場で、チームの一人の東京大大学院博士課程の小藤由太郎さんが力を込めた。
「第一に強調したいのは、天の川銀河の中心にブラックホールが存在すると証明した、ということです」
天の川銀河の中心には、いて座Aスターと呼ばれる強い電波源がある。コンパクトながら極めて高密度の天体がその中にあることは間接的な観測で分かっており、これがブラックホールだと示唆した研究は、20年のノーベル物理学賞を受賞していた。だが、直接観測されたことはこれまでなかった。
ブラックホールは極めて重力が強く光さえも出られないため、それ自体を見ることはできない。チームはブラックホールを囲むガスが放つ電波を精密に観測し、ガスに浮かぶ「影絵」のように浮かび上がらせた。この影の中に、ブラックホールの本体がある。
「まるで扇風機」日本も貢献
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