離婚の原因にも…パートナー、友人との相互理解に役立てよう
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在日コリアンカウンセリング&コミュニティセンター(ZAC)代表で精神保健福祉士の丸一俊介さんと、臨床心理士で在日コリアンのShizukuさん(ニックネーム)は、マイクロアグレッションを理解することは、友人や恋人、夫婦間のコミュニケーションの困難さを解決し、対話をより深めるのに役立つという。なぜなら2人もまた、そんなふうに対話を深めてきたからだ。1回目に続き、2人の具体的な実践に耳を傾けたい。【オピニオングループ/小国綾子】
被差別体験を無価値化する言葉
Shizukuさん 実は、私と丸一さんの関係性においては、「マイクロアグレッション」という概念はむしろ「おまけ」だったのかも……。
――えっ。おまけ、ですか?
丸一さん 私とShizukuさんが、在日コリアンのメンタルヘルスの支援をしようと活動し始める前、私たちはまだマイクロアグレッションなんて言葉を知りませんでした。知らないまま、マイクロアグレッション的なものを乗り越えてきたように思います。
当時、Shizukuさんとは気の合う兄妹のような友人で、信頼関係はありましたが、時々コミュニケーションがうまくいかなくなることがありました。例えばテレビニュースで朝鮮半島について否定的に取り上げられるたびに緊張が走る。自分のルーツが否定されているようでShizukuさんがつらそうにしている。そんな時に自分はどうリアクションをしよう、とおろおろしてしまうことも多かった。
以前は私も「日本人は悪い人ばかりじゃないんだから」「そんなの気にすることないよ」とか言っていました。でも、Shizukuさんはそのたび、日常的に繰り返し体験してきた被差別体験を無価値化された思いになったと思います。今思えば、当時の私の言動はマイクロアグレッションだったと思います。
――そんな言葉に、Shizukuさんはどう感じていたんですか…
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