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「論より証拠」といえば江戸いろはかるた。では「勘よりデータ」は――? 農業の世界にも今、デジタル化の波が押し寄せている。全国有数の施設園芸県・高知では、ビニールハウス内の環境をスマートフォンなどで管理する動きが急速に進む。インターネットでデータを共有し、農作物の収量を上げる試みも今秋、本格的に始まる予定だ。IoP(インターネット・オブ・プランツ)と呼ばれ、地元の大学には研究施設も新設された。目指すのは、経験や勘だけに頼らない農業。生産者と行政、教育機関がタッグを組み、基幹産業の生き残りをかける。【井上大作】
高知市に近い人口約5000人の日高村。就農4年目のトマト農家、大川内剛(おおかわうちつよし)さん(51)がハウス内でスマホを取り出した。「作業中はいつも持ち歩いています。一目で全部分かりますから」。ハウス内に設置されたセンサーやカメラが二酸化炭素や日照量、生育状況などをモニターし、画面で確認できる。光合成に最適な状態もグラフで示され、天窓の開閉も自動化されている。
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