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マリウポリ「陥落」ロシアは戦果宣伝 “英雄”アゾフ大隊の命運は

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ウクライナ・マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から退避し、バスで南東部ノボアゾフスクに搬送されたウクライナ軍の兵士=16日、ロイター
ウクライナ・マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から退避し、バスで南東部ノボアゾフスクに搬送されたウクライナ軍の兵士=16日、ロイター

 ウクライナ軍は17日、ロシア軍に包囲されていた南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で部隊が投降したことを明かした。激戦地となってきたマリウポリの「陥落」を意味するが、今後の戦局に影響を及ぼすのか。

ロシアにとっては象徴的「戦果」

 両手を上げ身体検査を受ける男性や、担架でバスに乗せられる負傷者たち――。ロシア国防省が17日に通信アプリ「テレグラム」で公開した動画には、疲れ切った表情の兵士らが映されていた。アゾフスターリ製鉄所から退避してきた兵士だと説明し、「戦果」を宣伝した。

 マリウポリが最大の激戦地となったのは、戦略的な位置が要因だ。2014年にロシアが一方的に編入した南部クリミア半島と東部の親露派支配地域をつなぐ都市といえ、ロシアにとって制圧は欠かせなかった。港湾施設もあることから、海上輸送の拠点としても利用価値があるとみられる。

 度重なる露軍の攻撃にもかかわらず、アゾフスターリ製鉄所ではウクライナ政府傘下の戦闘部隊「アゾフ大隊」が地下施設に立てこもり、抗戦を続けた。「ウクライナの非ナチ化」を掲げるプーチン露政権はアゾフ大隊を一方的に「ネオナチ」と決めつけてきただけに、大隊の投降は象徴的な「戦果」といえる。

 今回、製鉄所の抗戦が終わったことで、マリウポリの部隊は別の前線に振り向けられる見通しだ。米シンクタンク「戦争研究所」によると、親露派勢力はマリウポリの港を再開させるため、地雷の撤去や沈没したウクライナ船の引き揚げなどを進めている。ロシアからの海上輸送ルートを確立させ、前線への補給拠点として利用する可能性もある。

 ただ、露軍は東部戦線に戦力を注いできたにもかかわらず、目立った前進は果たせていない。…

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【ウクライナ侵攻】

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