「富裕層はもう集まらない」 専門家が語る日本型カジノの危うさ

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大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)に計画されているIRのイメージ図=大阪府の公表資料より
大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)に計画されているIRのイメージ図=大阪府の公表資料より

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致は4月に申請が締め切られ、大阪府と長崎県の2カ所を候補地に国が審査を進めることになった。認定されれば日本初のIRが誕生することになるが、IRに詳しい鳥畑与一・静岡大教授(国際金融論)は「カジノをするために世界中から富裕層が集まる世界はもう消えている」と指摘する。専門家が警鐘を鳴らす日本型カジノの危うさとは――。【聞き手・野田樹】

「IRの前提が崩壊している」

 ――IR誘致の意義をどう考えていますか。

 IRは、収益エンジンのカジノが巨大な利益を生み出し、その利益で世界最高水準のMICE(マイス、国際会議場や展示場の施設)を運営することで日本の国際競争力を飛躍的に向上させるのが当初の目的だった。しかし、既にその前提は崩壊している。

 ――どういうことでしょうか。

 例えば、大阪は当初の計画で10万平方メートル以上のMICEの整備を挙げていたが、事業者側への配慮から規模を縮小し、2万平方メートルでの開業を認めた。段階的に10万平方メートル以上に整備するよう求めているが、日本で一番大きい展示施設は東京ビッグサイトの約11万5000平方メートル。世界に対抗するMICEを作るためにカジノが必要だとしていた当初の大義名分はどこにいったのか。収益エンジンのカジノがエンストを起こしているため、制度設計自体が崩れ去っている。

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