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沖縄復帰50年

2022年5月15日、沖縄は本土に復帰して50年を迎えました。何が変わり、何が変わっていないのか。沖縄の歩みと「今」を伝えます。

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復帰50年、沖縄が立つ荒野 迎えた連帯、見る影もなく=三森輝久(東京代表室・元那覇支局)

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沖縄復帰50年の記念式典会場周辺には式典に疑問を投げかける人もいた=沖縄県宜野湾市で15日、喜屋武真之介撮影
沖縄復帰50年の記念式典会場周辺には式典に疑問を投げかける人もいた=沖縄県宜野湾市で15日、喜屋武真之介撮影

 復帰50年を迎えた沖縄は、荒野にある。その荒野に吹く風はますます冷たく、強い――そんな気がしてならない。50年前、この荒野を誰が想像しただろう。

 米軍統治下で復帰運動をリードし、復帰後最初の沖縄県知事を務めた屋良朝苗(やらちょうびょう)(1902~97年)の文章から紹介したい。

 <教材や教育用備品はもちろん、教科書もなかった。(中略)生徒は、先生の話すことを紙に書き取って勉強した。その紙さえ持たない生徒も多かった。そんな生徒たちは、やはりどこからか古雑誌や本を捜し出してきて、その行間や余白に小さな字で先生の講義をノートしていた。みるたびに、私は泣きたい思いにかられた>

 屋良朝苗回顧録(朝日新聞社刊)に記された1950年ごろの学校の困窮ぶりだ。太平洋戦争末期の沖縄戦から5年たっても、紙にも苦労する有り様だった。

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【沖縄復帰50年】

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