松本清張作品と考古学を結ぶ「点と線」 橿考研研究員が読み解く魅力

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松本清張作品における考古学世界をテーマに論文を書いた奈良県立橿原考古学研究所主任研究員の絹畠歩さん=同研究所で2022年5月17日、山本直撮影
松本清張作品における考古学世界をテーマに論文を書いた奈良県立橿原考古学研究所主任研究員の絹畠歩さん=同研究所で2022年5月17日、山本直撮影

 奈良県の高松塚古墳や藤ノ木古墳など歴史的な発掘調査を手掛けてきた県立橿原考古学研究所。そんな「発掘最前線」の主任研究員、絹畠歩(きぬはた・あゆむ)さん(35)が、2022年8月で没後30年を迎える作家・松本清張をテーマにしたユニークな研究に取り組んでいる。論文「小説に描かれた考古学世界の理想と現実―松本清張と以後の小説」をまとめ、6月にオンラインで開かれる松本清張研究会(事務局・北九州市立松本清張記念館)で発表する。

 清張は「点と線」「砂の器」など推理小説をはじめ、「日本の黒い霧」に代表されるノンフィクション作品を残した。日本古代史にも造詣が深く、考古学者や遺跡・古墳などが登場する作品も少なくない。

 絹畠さんは子どもの頃からミステリー小説が好きで、中学時代に清張作品を読み始めた。九州大で考古学を学び、橿考研入所後は古墳時代を中心に研究。「趣味を仕事に生かせないか」と考えて清張記念館が募集している研究奨励事業に応募した。20年8月の採択を受け、現場へ出る傍ら清張研究を続けた。

 論文では、考古学に関連する事象が出てくる25の清張作品と、その他作家の46作品について、登場人物の属性▽時代▽遺跡▽遺物――の一覧表を作成し、比較を試みた。清張は1950~60年代を中心に、関東から九州に及ぶ広範囲の縄文時代・…

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