特集

知床観光船事故

2022年4月23日、知床半島沖で観光船が沈没。乗客乗員計26人のうち14人が死亡、12人が行方不明に。

特集一覧

知床観光船事故

識者に聞く/1 国のチェック、緩すぎる 神戸大大学院・若林伸和教授 /北海道

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
神戸大大学院の若林伸和教授
神戸大大学院の若林伸和教授

 知床半島沖で観光船が沈没した事故は23日で発生から1カ月となる。安全を守る手だてや運航会社の責任追及、残された家族の心のケアはどうなるのか。14人が死亡、12人が行方不明となった惨事であらわになった課題を識者に聞いた。

 今回、沈没した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」のような20トン未満の小型船舶はかつて無資格で操縦できた。1951年以降、免許制度の整備が進んだが、基本的には「船乗り自身の命がかかっており、安全を軽んじるはずがない」との性善説に頼り、国のチェックは甘い。運航会社「知床遊覧船」の人命軽視が事実ならば、こうした事業者を許してきた現制度の欠陥が事故につながった。

 桂田精一社長は記者会見で、事故当日午後から波が高くなる予報だったが、危なくなったら船長判断で引き返す「条件付き運航」で出航を認めたと繰り返した。そもそもトラブルに見舞われることを前提に出発する乗り物はあり得ない。危険が予想されるのに「条件付き」を免罪符に出航するのはおかしく、安全運航の知識が根本的になかったと考えられる。

この記事は有料記事です。

残り495文字(全文947文字)

【知床観光船事故】

時系列で見る

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集