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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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はびこる汚職や癒着 元日銀マンが語る知られざるウクライナ

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ウクライナ財務相のアドバイザーを務める田中克さん=東京都千代田区の国際協力機構(JICA)本部で2022年5月2日午後2時20分、辻本知大撮影
ウクライナ財務相のアドバイザーを務める田中克さん=東京都千代田区の国際協力機構(JICA)本部で2022年5月2日午後2時20分、辻本知大撮影

 ロシアの侵攻を受けるウクライナで、財務相のアドバイザーを務める日本人がいる。元日銀マンの田中克さん(68)だ。情勢悪化を受けて今年1月に帰国するまで、約5年にわたり現地で国有銀行の再建に取り組んできた。不安定な経済基盤、はびこる汚職、ある大国の暗躍……。田中さんが見たウクライナとは。

消える公的資金

 ――ウクライナ財務相のアドバイザーに就いた経緯を教えてください。

 ◆2015年にあった当時の安倍晋三首相とウクライナのポロシェンコ大統領の首脳会談で、ウクライナ側から金融システム再建への協力要請がありました。前年、親ロシアのヤヌコビッチ政権が倒れたことを受けてロシアが南部クリミア半島を強行編入し、ウクライナの情勢は不安定化して経済も低迷しました。主要7カ国(G7)や国際通貨基金(IMF)を筆頭に支援に乗り出しましたが、ウクライナ側は日本に国有銀行再建のため「お金ではなく人材が欲しい」と要望してきたのです。そこで私に声が掛かり、国際協力機構(JICA)の専門家として16年1月にウクライナに渡りました。

 ――当時のウクライナの金融分野の状況は。

 ◆国有、民間を問わず銀行は不良債権まみれで、どれほど不良債権があるのか分からない状態でした。汚職や癒着がまん延していた上に、ロシアが一方的に編入した南部クリミア半島や親露過激派が一部占拠した東部ドンバス地方の融資先の返済が止まったのが原因です。国有銀行は会計事務所の監査をクリアしていましたが、財務省に公的資金の投入を求めるといった状態でした。銀行と監査側が癒着し…

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【ウクライナ侵攻】

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