マイナビ仙台が「東京進出」 素人社長の変革 サッカーWEリーグ
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日本初の女子プロサッカーリーグ「WE(ウィー)リーグ」が22日の最終節で初年度のシーズンを終える。コロナ禍の逆風を受けながら、挑戦的な取り組みをしてきたクラブがマイナビ仙台レディースだ。「サッカー素人」の社長の下、独自の企画を次々に考案。集大成の一つが「東京」で実現した。
4月17日、味の素フィールド西が丘(東京都北区)。マイナビ仙台がホームゲームとしてアルビレックス新潟レディースを迎え、リーグ戦の第17節を開催した。ホームタウン以外での公式戦は、プロ野球では珍しくないが、サッカー界では男子のJリーグを含めて異例だ。「仙台のクラブがなぜ東京で試合をするのかという『違和感』を生み出したかった」とマイナビ仙台の粟井俊介社長(41)。就職情報大手マイナビ(東京)の協力を得て、都内の駅や電車の中づりに積極的に広告を打った。
来場者を楽しませる仕掛けも随所にあった。試合開始前の入場ゲートでは、この日ベンチ外となった選手がユニホーム姿で来場客を出迎えた。マスクの着用など感染症対策に配慮しながら、選手はショップ店員ばりの接客でグッズ売り場などを案内。MF福田ゆい選手(24)は子供を見つけると「写真撮ろっかー!」としゃがんで声を掛け、スムーズな記念撮影に協力していた。小学生以下には無料でTシャツが配られ、スタンドをチームカラーの水色に染めた。
粟井社長は「来られる方はほとんどチームのことを知らないという前提で臨んだ」と語る。招待客を含め、サッカーの観戦自体が初めての家族連れや、ひいきチームをもたないファンの姿が多く見られた。クラブ側の狙いは「1人でも選手の『推し』を見つけて、仙台に足を運ぶきっかけとなれば」。0―1で敗れた試合後も、チームのポスターを熱心に配布した。
入場者数は開幕戦のノジマステラ神奈川相模原戦(ユアテックスタジアム仙台)の1741人に及ばなかったものの、今季の主催試合で2番目の1505人を動員した。粟井社長は「次に向けての足がかりは得た」と手応えを口にした。
マイナビで主に新卒採用支援を担当してきた粟井社長は…
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