有名人の自死報道 目を覆いたくなる展開にため息
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知人が2人、自らの意思を持ってなのか、立て続けに遠方へ旅立つ選択をしてしまった。
お一人は、俳優の渡辺裕之さんだ。昨年の誕生日にお祝いのメッセージをいただいて、何度かやりとりをしたのが最後だった。日々の鍛錬に余念のない、エネルギッシュな印象の方で、ぼうぜんとするばかりだった。
初めて会ったのは、30年も前になるだろうか。大沢在昌さん原作の映画「眠らない街 新宿鮫」の銃砲店でのロケ撮影現場で、今は亡き大杉漣さん扮(ふん)する店主が、犯罪マニアのエド(松尾)に商品の説明をする場面だった。出番がないはずの渡辺さんが、撮影スタッフがひしめく狭い店内で、居場所をキープするのに苦慮しながら撮影の様子を逐一凝視、観察しておられた時だった。
休憩中に「今日は?」と私が聞いたら、「この原作には強い思い入れがある。映像化するなら俺が出たかった。まだ諦め切れずに、撮影スケジュールを教えてもらって、ずっと見学しているんだ」と言っていた。こんな情熱の強さを持って俳優業をやっている人はなかなかいないと感心したことを覚えている。
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