対中国の目玉宣言、漂う不透明感 初の対面首脳会談、日米の思惑

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
来日したバイデン米大統領(左から2人目)。右端は出迎えた林芳正外相=東京・米軍横田基地で2022年5月22日、AP
来日したバイデン米大統領(左から2人目)。右端は出迎えた林芳正外相=東京・米軍横田基地で2022年5月22日、AP

 23日の日米首脳会談は、岸田文雄首相とバイデン米大統領にとって本格的に対面する初めての機会になる。中国や北朝鮮の脅威が高まり、ロシアのウクライナ侵攻で世界が動揺する中、連携を深めたい両首脳の思惑は――。

経済に安保…期待寄せる米

 バイデン米大統領は今回の訪日で、新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足宣言を目玉に据えている。世界第3の経済大国である日本の「全面的な支持」を対外的にアピールし、IPEFに懐疑的な東南アジアなどの国々に幅広く参加を呼びかけたい思惑がある。

 バイデン氏は2021年1月の就任以来、インド太平洋を「21世紀の世界の運命を決する地域」と位置づけ、主要な連携国である日本との首脳外交も重視してきた。21年4月には政権発足後に外国首脳として初めて菅義偉首相(当時)をワシントンに招いた。

 23日夜には岸田文雄首相との夕食会が予定され、「指導者としてではなく、人間同士で語る場」(サリバン米大統領補佐官)で首脳間の信頼関係を醸成したい考えだ。米政府は、バイデン氏が23日にIPEF発足を発表する場に岸田氏が同席することも事前に公表し、日本の支援に期待感を示した。

 ただ、IPEFの先行きには不透明感も漂う。…

この記事は有料記事です。

残り1863文字(全文2386文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集