観光船社長、説明会から消えた 資料なし・無回答…嘆く乗客家族
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北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故では、海上保安庁などによる現場周辺での捜索が続く。また、水深約120メートルの海底に沈む船体の引き揚げに向けた作業も始まった。事故原因の調査が進む一方で、亡くなった人や行方の分からない人たちの関係者は事故発生から1カ月となる今もなお、悲しみや不安の中にいる。
◇
何でもいいから手がかりがほしい――。乗客の家族らは行方不明の身内の情報を求め、時間を見つけて現地・北海道斜里町を訪れている。遠方に住む人もおり、負担は大きい。「一刻も早く安否を確認したい。どんなささいなことでもいいから情報がほしい」。沈没事故から1カ月、家族らは疲労の色を濃くしている。
行方不明者につながる情報を待つ乗客家族のため、斜里町では連日、国土交通省や海上保安庁の担当者らが捜索状況を伝える家族説明会が開かれている。捜索が長期化し、仕事などの関係から現地に長く滞在することもできず、オンラインによる出席が多くなっている。
こうした説明会にカズワンの運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長らの姿はない。それには同社に対する乗客家族の不信感が影響していた。
桂田社長が初めて乗客の家族らの前に現れたのは、4月24日未明だった。現地対策本部がある斜里町役場のウトロ支所を訪れ、数人の家族を前に泣いて土下座した。
同日の町などによる家族への状況説明の場にも出席したが、説明会なのに資料…
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